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風力発電ラッシュ

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 地球温暖化対策では「後進国」だった米国で、再生可能エネルギーの導入が爆発的に広がっている。

 オバマ大統領が温暖化対策を経済政策の柱と位置づけたのを機に、官民のマネーが流入、風力発電施設は建設ラッシュの様相だ。だが、危機感を持つ石炭業界などは「温暖化対策は米経済を殺す」と反対運動に乗り出した。米国は「新エネ大国」と「化石燃料の消費大国」というふたつの顔の間で、苦悩を深めている。

 ロサンゼルスからヘリコプターで北に180キロ・メートル。赤茶けたモハベ砂漠の山肌に、巨大な白い固まりがうごめいているのが見えてきた。近づくと約5000基もの風力タービンの先で、3枚の羽根が悠然と回っていた。大きなタービンは高さ100メートルもある。ここは電力会社などが風力発電の実験を行う、全米でも最大規模の「ウインドファーム(風力発電基地)」だ。

 米国の風力発電能力は、2008年にドイツを抜いて世界一となった。発電量全体の1%強にすぎないが、オバマ大統領は、30年までにこれを20%に高める方針を打ち出した。ロサンゼルスのビヤライゴーサ市長は、「30年までに1990年比で35%の温室効果ガス削減を目指す」と独自の野心的目標を掲げ、新エネ導入を後押しする。有望な起業家に投資するベンチャーキャピタルも、環境投資を急増させている。

 単に施設を増やすだけでなく、新エネを安定電源とする戦略も始動した。次世代送電線網「スマートグリッド」計画だ。

 風力や太陽光発電の問題点は、火力や原子力と違って天候次第で突然、出力が落ちること。現状では、新エネを全体の2割も電力網に流し込むのは不可能だ。そこで、時間別課金でピーク需要を減らしたり、蓄電池で不足分を補ったりするのがスマートグリッド。消費者がパソコンで自宅の電力消費を管理するなど応用範囲は広く、いわば「電力版インターネット」。情報検索大手グーグルも参入を狙う。日本の関係者は、「米国は大統領が旗を振り、官民で壮大な実験を始めた。流れを見極めてから参入しても手遅れ」と危機感を募らせる。

 だが、米国が、国を挙げて温暖化対策に邁進(まいしん)し始めたわけではない。経済界には慎重論が根強く、特に世界一の埋蔵量を誇る石炭の関連業界から「石炭こそが国力を支えてきた。新エネへの転換は、米国の自殺行為」という強烈な反対論が噴出しているのだ。(ロサンゼルスで 山田哲朗)
(読売新聞、nifty)

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