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「経済乱世」の始まりか

 約540年前、室町時代に起こった「応仁の乱」。守護大名・畠山氏内部の跡継ぎ争いに対する将軍家の調停失敗に端を発したとされるこの乱は、各地の守護大名が入り乱れて11年間にわたる戦乱となり、京の都は荒廃を極めたという。その大きな原因として伝えられるのがときの将軍、足利義政の優柔不断さ。指導力を欠き、守護大名を統率できなかったことが戦乱を長期化させたといわれる。鳩山政権の政策決定過程をめぐる混乱ぶりを見るにつけ、この歴史の悲劇がオーバーラップしてくる。

 不況に苦しむ日本経済の命運を左右しかねない追加経済対策。当初は4日に7兆1千億円の対策をまとめるはずだったが、亀井静香郵政改革・金融相が「全然足りない」として9千億円の上積みを要求。すったもんだしたあげく、8日になって1千億円を上積みする形で決着した。だが、「なぜ1千億円なのか」という根拠は判然とせず、経済効果を考えて弾き出した金額でないことは明らかだ。こんな大事な政策を決めるのにも迷走する鳩山政権に「危うさ」を感じた人は少なくないだろう。

 この「危うさ」はどこからくるのか。それは経済運営全体を見渡す司令塔が不在ということにつきるのではないか。経済運営のリーダーが不在の中、閣僚が好き勝手に発言し、それを継ぎはぎして政策をまとめる-。産業界や市場関係者が「鳩山政権の経済政策は全体像が見えない」と不安を感じてしまうのは、こうした場当たり的な政策決定と無関係ではない。

 不況で国内需要が伸びない日本企業は経済成長著しい中国を中心とした海外に活路を求め始めている。鳩山政権の経済運営に失望感が広がれば、その動きはさらに加速するに違いない。その後に待ち受けているのは「産業の空洞化」だ。空洞化が進めば、国内の雇用は減少し技術力も低下、日本経済の成長を阻害する懸念がある。鳩山政権は年内にも今後10年間を対象期間にした成長戦略の骨格をまとめる方針だが、こうした事態を避けるためにも、付け焼き刃ではない、説得力のある成長戦略を示す必要がある。そして成長戦略は、強い指導力を発揮できる司令塔がいてこそ、現実味が出てくるということを肝に銘じてほしい。

 「応仁の乱」はその後約100年に及んだ戦国時代の引き金になったとされる。鳩山政権が日本経済における「乱世の始まり」とならないことを願うばかりである。

 (フジサンケイビジネスアイ編集長 吉田憲司)
(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/091220/fnc0912200754001-n2.htm

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