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国事行為巡り波紋

 14日に来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見が、1カ月前までに申請する慣行を外れて設定された問題は、象徴天皇の「国事行為」のあり方に波紋を広げている。

 16日までの滞在中、習副主席は14日に鳩山由紀夫首相、15日に小沢一郎民主党幹事長、16日に岡田克也外相と会談するほか、日本経団連幹部との朝食会などに臨む。天皇との会見は15日に予定されている。

 政府の対応について百地章・日本大法学部教授(憲法学)は「政府は天皇陛下の政治的中立性、公平性を守るべきだ。1カ月ルールを破るという強引な決め方そのものに、陛下を政治的に利用した印象が否めない。中国だけ認めたのは悪い先例になり、ルールが崩壊する危険性もある。二度とこんなことがあってはならない」と厳しく批判した。

 一方で横田耕一・流通経済大教授(憲法学)は「強い政治性を持つ行為に天皇を利用することは望ましくない」としながら、今回は「宮内庁の考え方が前面に出すぎているのでは」と指摘する。「最終的な決定権は内閣にある。1カ月ルールは内規だから、内閣は尊重しなければいけないが、縛られることはない。宮内庁に振り回されるのはおかしい」と述べた。

 宮内庁によると、1カ月を切って会見の申請があったのは05年、タイの上院議長との会見だけ。打診は1カ月を1日切っていた。同国がスマトラ沖大地震とインド洋大津波で被災した事情があった。

 中国側は98年に国家副主席として訪日した胡錦濤国家主席も天皇陛下と会見していたことから、同じ扱いを求めていた。日本側は当初、胡氏の日本滞在が5日だったのに対し、習氏は3日と短いため難色を示したという。一方で中国の外交当局者は陛下との会見の実現に楽観的な見通しを示しており、日中で温度差があったことをうかがわせている。

 鳩山首相は11日夕、記者団に「ルールは分かっていたが、1カ月を数日切ればしゃくし定規でダメだということでは、国際親善の意味から正しいことなのかどうか」と述べ、「政治利用という言葉はあたらない」との考えを示している。

◇解説 天皇の役割、厳密対応を

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が、「1カ月ルール」を破って設けられたことに対して、羽毛田信吾・宮内庁長官が強い不快感を示した。陛下への会見の申請は、高齢で多忙な陛下に負担をかけないなどの理由で1カ月以上前ということが政府内で了承されていたが、鳩山由紀夫首相の要請に押し切られた形だ。

 羽毛田長官は、天皇の政治利用の懸念も示したが、ルールに関しては今後、天皇の憲法上のあり方や健康状態などを再度認識し、政府内でより厳格に守られる必要があろう。

 1カ月ルールは、95年ごろから慣例としてあり、特に陛下が前立腺がんの摘出手術を受けた後の04年からは厳格に適用されてきた。羽毛田長官は「国の大小とか、政治的に重要か、そうでないとかにかかわらず守ってきた」と述べている。実際、11月に天皇陛下と米国のオバマ大統領が皇居・御所で面会した際も、このルールにのっとって日程が調整された。

 それにもかかわらず、今回は来日の約1週間前に再度の強い要請があり、会見することになった。羽毛田長官によると、鳩山首相の意を受けた平野博文官房長官から「ルールは理解するが、日中関係の重要性にかんがみ、ぜひお願いする」と要請されたという。

 天皇は憲法で、政治的機能を一切持たない「国の象徴」とされている。平野官房長官の発言がこの通りなら、天皇の政治利用とも受け取られかねない。内閣として、天皇の意義、役割をより慎重で厳密にとらえて対応していくことが求められる。
【真鍋光之】

(毎日.jp、http://www.excite.co.jp/News/politics/20091212/20091212E10.033.html

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