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“エコカー依存症”脱却カギ

 2010年の自動車業界は、09年の“エコカー特需”の反動とデフレに脅かされそうだ。09年の新車販売が歴史的な低水準に落ち込むなか、政府支援によるエコカー人気が唯一の救いだった。ただ一方で、トヨタ自動車の“プリウス依存症”に象徴される売れる車種の偏重が起きている。利益率の低いハイブリッド(HV)車や小型車へのシフトは、収益の悪化を招く。10年は依存症からの脱却が大きな課題だ。

 昨年11月上旬のトヨタ自動車堤工場(愛知県豊田市)。ハイブリッド車(HV)「プリウス」のボディーに、次々とパーツが取り付けられていた。稼働率は90%を超えている。

 だが、堤工場では、ほかにも「アリオン」や「カムリ」などを生産しているが、ライン上を動いているのはほとんどがプリウスだった。

 プリウスは今注文しても納車は来年6月上旬以降になるという人気が続いている。

 3代目となる新型プリウスが爆発的な人気を集めた理由の一つに価格設定がある。旧モデルより燃費性能や排気量をアップしたにもかかわらず、最低価格を30万円程度安い205万円にした。

 ホンダが一足先に発売した新型HV「インサイト」の最低価格を189万円に設定し大ヒットしていたことが、大きく影響したとみられている。

 大ヒットによる量産効果もあるが、目玉価格の設定は、それだけ利益を削ることにほかならない。

 ダイハツやスズキも新型軽自動車で、業界最安値水準の70万円台前半の戦略車を投入。値下げの流れは高級車にも波及した。トヨタは高級セダン「マークX」の最低価格を従来車より約10万円引き下げたほか、日産自動車も高級セダン「フーガ」の一部車種の価格を約12万円引き下げた。

 自動車業界でも、デフレが鮮明になっている。

 これまで、モデルチェンジの際には、価格を据え置くか、値上げするケースが一般的だった。しかし、新車販売の低迷が続けば、今年売り出す新型車でも一段の値下げを迫られる可能性がある。

 エコカー偏重に加え、インドや中国などの新興国向けの小型車の需要増大で、「ダウンサイジング」の流れが今年も止まりそうにない。

 利幅の大きい高級車や大型車が売れず、利幅の薄い小型車へのシフトが進めば、収益の悪化は避けられない。

 トヨタ幹部は「台数が伸びているわりに利益が伸びない」という悪循環への懸念を深める。

 さらにエコカー減税や買い替え補助などの政府支援は、「需要の先食い」の面が強く、支援が続いても、その効果はどんどん薄れていく。

 日本自動車工業会では、09年の政府支援による押し上げ効果は100万台と試算しており、10年は大きな反動減が顕在化する懸念が拭えない。

 トヨタの内山田竹志副社長は「厳しい状況だが、市場が求める価格で提供できるような開発・生産体制をとらなければならない」と話す。ホンダも、製造コストの安い地域からの部品調達の比率を上げるという。

 車種偏重や自動車デフレに対応できる経営体質を構築できるかが、各社の業績を大きく左右することになりそうだ。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100103/biz1001031802004-n1.htm

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