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戦後65年 伝えたい記憶

当時14歳の飯田孝廣さん(79)=大阪市都島区

 終戦前日の昭和20年8月14日。勤労動員先の大阪・玉造の貨物駅で、大豆の袋詰め作業を始めようとした午前9時ごろ、空襲警報が鳴った。

 高津中学3年の同級生40人とともに、駅構内の階段下の防空壕(ごう)に避難した。1カ月前には都島の自宅が空襲で焼かれたばかり。不思議なもので、それ以来、空襲への恐怖感がまったくなくなっていた。

 米軍爆撃機「B29」の攻撃目標は、駅から北に1・5キロほどの場所にあった大阪陸軍造兵廠(大阪砲兵工廠、現在の大阪城公園辺り)だった。約2時間、ドーンという爆発音が遠くから絶え間なく聞こえ続けた。

 「今度は来たで」。ヒュルヒュルヒュルザーという1トン爆弾投下の音とともに、だれかの緊迫した声が響き、全員が手で目と耳をふさいで地面に伏せた。その瞬間、爆音とともに自分の体が30センチほども飛び上がった気がした。

 目を開けたが、何も見えない。しばらく真っ暗な中で目をこらしていると、土ぼこりが天井からサッーと落ち、徐々に光が戻ってきた。結局、全員にけがはなく、外に出てみると、防空壕から少し離れた場所に直径10メートルほどのすり鉢状の大きな穴があいていた。

 辺りを歩いてみると、線路の反対側には不発弾が半分に割れて地面に落ちており、中からピンクの爆薬がのぞいていた。駅舎を挟んで30メートルほどの距離。投下場所が少しずれていたら…と思うと、わが身の幸運に感謝した。

 翌日、学校に行くと、正午から近くの小学校で重大発表があると知らされた。その道すがら、同級生から「きのうの空襲で京橋駅に直撃弾があり、多くの人が亡くなった。遺体をトラックに積む作業を手伝ったで」と聞かされた。玉音(ぎょくおん)放送は後ろの方にいたので、よく聞こえなかった。あとで戦争が終わったと知り、やれやれこれで空襲がなくなると正直安堵(あんど)した。

 人間の運命は分からないものだと思う。投下地点のわずかなずれで助かる一方で、京橋で亡くなった人たちは、あと1日の差で人生の終焉(しゅうえん)を迎えた。さぞ残念だったろうと思う。

 命があることはありがたい。

 戦後、そんな思いで生きてきた。親に、国に、社会に「恩返し」しようと、地域の役員も長く務めた。まだまだ生あるうちに、無念のうちに亡くなった人たちの分まで、世の中のために役立つことをしたい。

福井県敦賀市で小学校の代用教員をしていたときに空襲に遭った当時17歳の山本典子(ふみこ)さん(82)=敦賀市

 昭和20年7月12日、B29の2編隊が焼夷弾(しょういだん)を投下し、市内は火の海となって109人が死亡した。町の中央にある気比神宮の幅2メートルほどの小川に逃げ込んだ人たちは熱湯になった川の水でみんな死んでいった。

 8月8日午前10時ごろには、勤務していた小学校から2キロほど離れた工場に爆弾が投下された。空襲警報が発令され、防空壕(ごう)近くまでたどり着くやいなや、B29降下の轟音(ごうおん)、そしてドカンと大爆発音。工場から、もうもうと黒煙が上がった。その瞬間に勤労動員していた学徒の男女20人と2人の教師が飛び散ってしまわれた。

      ◇

 【用語解説】大阪大空襲

 マリアナ諸島を攻略した米軍は昭和19年末ごろから、B29による日本本土への空襲を本格化。大阪への空襲は19年12月を最初に50回以上におよんだ。なかでも3、6、7、8月の計7回(8回とも)の空襲は総称して「大阪大空襲」と呼ばれ、市民約1万5千人が死亡したとされる。8月14日には100機を超えるB29が飛来し、造兵廠近くの京橋駅で大きな被害が出た。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100815/acd1008151201005-n1.htm

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