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人気キャラ像の損壊被害、全国で後絶たず

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 町おこしの一環として、全国各地に設置されている人気キャラクターの銅像・石像などの損壊被害が後を絶たない。JR亀有駅(東京都葛飾区)の周辺に設置されている人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」の銅像が今春、相次いで折られるなどの被害に遭ったのは記憶に新しいが、予算の問題から抜本的な盗難・損壊被害の防止策を取ることができないのは、どの地域にも共通だ。「いたずらを放置すれば、別の犯罪を生むきっかけになりかねない」。有識者は警鐘を鳴らしている。(時吉達也)

こち亀「モデル」交番前でも被害
 

 「こち亀」銅像は平成18年2月、JR亀有駅北口の主人公「両津勘吉(愛称・両さん)像」を皮切りに地元商店街が主体となって設置が進み、今年3月には「麗子像」を含む一挙8体がお目見えした。

 計11体の銅像巡りはファンの間で人気を集めたが、今年4月には両さんがサンバを踊る「サンバ両さん像」のマラカス部分が折られ、翌5月には麗子像が足元部分から曲げられる被害に遭った。

 「高いもので400万円以上」(商店街関係者)

 高額の制作費用がかかりながら、11体の銅像のうち、少年時代の両さんと友達2人が並ぶ「少年両さん像」の1体に夜間用街灯が設置されているだけで、ほかの10体では防犯対策が取られていない。

 亀有地区商店街協議会の仲林和夫会長は銅像設置の経緯を振り返り、「防犯対策を考えていたら、予算が追いつかない。頑丈でない像は人通りの多いところに置くなどの配慮が限界だった」と明かす。

 しかし、唯一の女性像であることからいたずらを懸念し、「こち亀」派出所のモデルとされる駅北口交番付近に設置された麗子像も犯行の標的となってしまった。交番に勤務する警視庁亀有署員は「申し訳ない気持ちだが、パトロールで交番を留守にすることも多く、常に目が届くわけではない」と漏らす。

“ゲゲゲ”妖怪被害は17年で37件

 地域に愛される人気者が“ケガ”を負うのは、都市部にとどまらない。高知県南国市では昨年末、同市後免(ごめん)町商店街に設置されたアニメ「アンパンマン」のキャラ「ばいきんまん」の石像のつのや、高知空港内に設置されている等身大の坂本龍馬像(発泡スチロール製)の首が折られるなどの被害が連続して発生。

 今年1月には島根県松江市に設置されている人気漫画「はじめ人間ギャートルズ」(故園山俊二さん作)のブロンズ像も、3体のうち1体が壊された。

 「ゲゲゲの鬼太郎」原作者、水木しげるさんにちなみ、妖怪の銅像などが設置されている鳥取県境港市の「水木しげるロード」では平成5年の開業以来、盗難・破損の被害が計37件に上っている。

 先月末に10台の防犯カメラが設置されたが、これはNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」効果で観光客が急増する中、通り魔などの犯行を抑止するのが主な目的。市都市整備課は「139体の妖怪すべてに防犯対策をとるのは、不可能」とあきらめ顔だ。

“モラル任せ”が新たな犯罪呼ぶ?

 立正大学の小宮信夫教授(犯罪社会学)は「お金をかけるのが難しくても、モラルだけに頼るのは無理がある。夜間のみ周囲にロープを張るなど、いたずらすることを『面倒くさいな』と思わせる工夫が必要」と指摘する。

 今年2月には、千葉・JR船橋駅コンコースのシンボルで募金箱機能を兼ねるブロンズ像「さざんかさっちゃん」の募金取りだし口が壊され、中の現金が奪われるなど、いたずらの範疇(はんちゅう)を超える犯行も生まれているが、小宮教授は「小さなほころびが生じる地域に、重大犯罪は呼び寄せられる。早め早めの対応が肝心だ」と強調する。

 冒頭のこち亀・麗子像は強度を高めるため、台座に座って足を組むデザインに変更され、11月6日に開かれる「第4回両さんベーゴマ大会」に併せて除幕式が行われる。葛飾区と地元住民は毎月会合を開き、具体的な防犯対策について協議を続けているが、防犯カメラの設置は困難とみられるという。仲林会長は「これまでの被害も、悪意のない過失だと信じている。『こち亀愛』こそが一番の防犯策」と話すが、その行方は-。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101023/crm1010231201013-n1.htm

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