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2010年5月9日 - 2010年5月15日

奇跡の理由は

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 リビアのトリポリ国際空港で12日に起きた航空機の墜落事故では、乗員・乗客103人が命を落とす一方、オランダの10歳の少年の生存が確認された。過去に発生した墜落事故を見ると、乗客多数が犠牲となる中、子供が唯一、助かるケースが見受けられる。なぜなのか。

 「その理由は、子供の体の大きさと関係があるはずだ」。米国の航空安全財団のウィリアム・ボス代表はAP通信に対し、座席で身動きがとれない大人とは違って子供は体が小さいために、「衝撃の瞬間、体を比較的容易に守れる」との見方を示す。体重が軽く、体が柔軟なことも、理由として挙げられそうだ。

 過去の例をみると、アフリカ東沖コモロ諸島近くで2009年6月に起きた墜落事故(152人死亡)では、12歳の少女が奇跡的に助かった。この少女は海中で飛行機の残骸(ざんがい)にしがみつき、生き延びるという強靭さまで見せつけた。

 スーダンで03年7月に起きた墜落事故(116人死亡)でも、3歳の男児が奇跡的に生還した。1995年1月に南米コロンビアで起きた墜落事故(51人死亡)では、事故後、群生する水ユリの上に9歳の少女が体を横たえているのが見つかった。

 このほか、米デトロイトでの事故(87年夏、154人死亡)でも、消防士が現場に駆けつけた際、シートベルトをした4歳の少女が座席で生きているのが見つかり、大ニュースとなった。

 ただ、こうしたケースは極めて例外的で、子供の生存率も低いことには変わりない。

 航空安全専門家で元パイロットのジョン・ナンス氏は「子供がシートベルトをしていなければ(機内で)『ミサイル』と化す」と警告する。墜落の際、子供たちが四方に投げ出されて即死するだけでなく、他の搭乗客にとっても危険ということだ。

 今回の墜落事故で、少年が奇跡的に助かったことを受けて、飛行機の出発地点である南アフリカの聖職者、タボ・マクゴバさんは「『死』という黒々とした雲の中に、希望の光を見いだした」と感慨深げに語る。

 両脚の複雑骨折という瀕(ひん)死(し)の重傷を負いながらも生還したこの少年は、ベッドの上で医者に出身地を聞かれた際、「オランダ、オランダ」と声を振り絞り、生への執念を見せつけたという。

 リビアのムハンマド・ザイダン運輸相は12日、悲惨な事故を繰り返さないようフライトレコーダーを解析し、原因解明に全力を挙げる、と強調した。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100514/mds1005140615000-n1.htm

よくない食べ合わせってホントに根拠があるの?

古くから、“ウナギと梅干し”など、よくないとされる食べ合わせがある。経験則から生まれた昔の人の知恵は侮れないもの。やはり現代の観点からみても理にかなっているのだろうか。

「“うなぎと梅干し”の食べ合わせが悪いとされるのは、うなぎは脂っこいし、梅干しには酸味の刺激があるので、どちらも胃腸に負担がかかるから。そもそも日本人は胃腸虚弱体質が多いため、脂分と酸味の過剰摂取には注意すべきという意味なんです。栄養学的にみれば、梅干しのクエン酸が加わった方が消化によいという見方もあります」と語るのは、薬学博士で東医食治研究会会長の田村哲彦氏。ただ、あまり食べ合わせを気にしすぎる必要はないという。

「キュウリやニンジンに含まれるアスコルビナーゼという酵素はビタミンCを酸化するので、ビタミンCを多く含むトマトなどと合わせない方がいいといわれますが、酢を含んだドレッシングで食べれば、アスコルビナーゼは酸性に弱いのでビタミンCは温存されます。また、お茶のタンニンは、野菜などに含まれる非ヘム鉄の鉄分の吸収を阻害しますが、かなり濃いお茶でない限り問題はなく、食後にゆっくり飲めばいい。そもそも食事はトータルなものですし、悪い食べ合わせはごく限られています」(同)

自分の体調や体質を考慮して、極端に偏った食生活をしなければ問題ないとのこと。だが、本当に気をつけた方がよい食べ合わせというものは存在しないのだろうか。

「とくに避けたい食べ合わせを挙げるなら、焼き魚と漬け物ですね。焼き魚の焦げに含まれるジメチルアミンと漬け物の亜硝酸塩は化学変化を起こし、ニトロソアミンという発ガン性物質ができてしまいます。タラコにもジメチルアミンは含まれているし、ハムなどには発色剤として亜硝酸塩が使われている場合もある。これらの食べ合わせには注意した方がいいでしょう」(同)

これは、結構ありがちな食べ合わせ!
日常的に食べている人も多いのでは。今日から早速意識してみてほしい。

(新型 光)
(R25編集部)

(niftyニュース、http://news.nifty.com/cs/item/detail/r25-00002191/1.htm

“特捜班”悪質滞納者と対峙

 東京都内の会社経営者宅。午前から始まった家宅捜索は、成果がないまま日没を迎えようとしていた。

 屋根裏、トイレ、ゴミ箱…。巨額の税金滞納による差し押さえで、隠し財産を発見できない東京国税局の徴収官たちには焦りの色がにじみ始めていた。数カ月にわたる内偵で納税できるだけの財産があるのは把握していた。それだけに安易な“白旗”は許されない。

 「財産を隠しても無駄です。見つけるまで絶対に帰りませんから」

 捜索に立ち会う経営者に覚悟を伝える徴収官。そのうち、応接室の棚の前を徴収官たちが通るたび、経営者が何度も視線を注ぐことに気づいた。棚の上には、手作りとみられる和紙製のトレー。直感が働いた。

 「この中を確認させてください」

 徴収官と経営者の間でしばらく押し問答があった後、ついに経営者は観念したかのようにトレーを無言で破り始めた。中から出てきたのはゼロがいくつも書き込まれた受取手形だったのである。

 「こんな所に…」

 捜索に長年携わり、さまざまな隠し財産の在りかを暴いてきた徴収官でさえ絶句するほどの瞬間だった。

   ×    ×

 こうした悪質滞納者と対(たい)峙(じ)する専門チームが、東京国税局徴収部にある。

 通称「特捜班」。

 各税務署から引き継いだ滞納額約1億円以上の大型案件で、特に呼び出しや調査に応じないといった悪質事案が対象だ。隠蔽(いんぺい)財産の内偵や捜索、差し押さえなどを行う特別整理職員270人のうち、2チームに所属する計二十数人が担当。国税徴収の“最後の砦(とりで)”のような存在でもある。

 検察庁に悪質な脱税犯を告発する査察部(通称・マルサ)と同様、徴収部の捜索・差し押さえの現場もまた、壮絶だ。

 徴収官たちが調査対象者宅の正門から入ろうとすると、「不法侵入だ」と110番通報されたり、「差し押さえに来たら税務署に爆弾を仕掛ける」と電話で脅かされたりと、一筋縄ではいかないケースが少なくない。中には、差し押さえを逃れたいばかりに、徴収官の目の前で株券を破り捨てたケースもあったという。

 こうした特殊事案を扱う特捜班の活動がここ数年、多忙になっている。

 東京国税局によると、平成21年6月までの1年間で、特捜班による捜索は70回に達した。

 「企業の業績低迷で税金の滞納が増加する中、納税意識の希薄なケースも目立ち始めている」

 現場の徴収官たちからはこんなため息も漏れる。

 実際、20年度の全国の法人税や消費税など国税の新規滞納発生額は前年度比1・8%増の8988億円と3年ぶりに増加に転じた。それに伴い、国税局が意図的に財産の差し押さえを免れる滞納者を、国税徴収法違反(滞納処分免脱)の罪で検察に告発した件数も過去最多の5件に上り、悪質滞納者対策も急務となっている。

   ×    ×

 ときに悪質滞納者たちから「税金泥棒」などと罵詈(ばり)雑言を浴びせられながらも、徴収の現場に立ち向かう心理とはどういうものなのか。ベテラン徴収官はこう話す。

 「滞納者のうち、本当に悪質なのは数%ぐらい。ただ、その数%を放置しておくと“逃げ得”を許すことになる。それは納税者の間に不平等感をもたらし、ひいては、国の申告納税制度の根幹をも揺るがす事態に発展しかねない」

 新規滞納額が増加した徴収現場にはそんな危機感があるというのだ。

 ただ、それでも悪質滞納者は後を絶たない。

 ある特捜班OBには、今でも苦い記憶が蘇る。

 外資系企業の財産調査を行った際、やっとの思いで隠し財産を見つけたときのことだ。財産があった場所は、海外の金融機関の口座。国税徴収法の徴収権限の及ばない海外に送金していたのである。

 海外送金したケースの中には、徴収官が社長らを説得して送り戻させて納税にこぎつけたケースもある。国税徴収法違反を適用することもある。「ただ、海外財産に対しては、徴収権限が及ばず、手の打ちようがない」(特捜班OB)。

 日米租税条約には徴収共助の規定もあるが、適用条件が限定的なため、差し押さえ逃れで行われたような不正な海外送金に同規定を適用することはできないという。徴収のグローバル化も課題となっているのだ。

     ◇

 長引く景気低迷で税収が減少する中、悪質な差し押さえ逃れが問題化している。一方、低所得者層への差し押さえの是非をめぐる論議も熱を帯び始めている。国民生活を支える財源としての税金をめぐって何が起きているのか-。徴収する現場の実態を追った。

       (花房壮)

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100510/fnc1005100014000-n1.htm

パソコンなど悪影響 深刻な視力障害注意

 パソコンや携帯電子機器が家庭や職場に普及し、目の健康が心配な現代の生活。特に強度近視は働き盛りに多く、しかも引き起こされる病気が早くから深刻な視力障害につながる。ところが、回復不可能なほど悪化してから受診するケースも多いとされ、専門家は「たかが近視と油断せず、自覚症状があったら早く検査を」と警告する。(草下健夫)

 ≪失明の第2の原因≫

 近視は多くの場合、「眼軸長」と呼ばれる眼球の奥行きが異常に延び、像が網膜より手前で結んでピンボケになる。強度近視では、この眼軸長が正視(像が正しく網膜に結ぶ)より3・5ミリ以上長いことが推定されている。全国で40歳以上の人口約6700万人のうち、360万人ほどが強度近視とみられている。

 東京医科歯科大学の大野京子准教授(眼科学)は「強度近視は遺伝的要因が大きいが、そこに携帯ゲームやパソコンなどの増加をはじめ、環境要因が加わっている。ハワイの日系人に近視が少ないことも、遺伝だけではないことを示唆している」と説明する。強度近視は、国内では緑内障に次いで2番目の失明の原因といわれている。

 強度近視の特徴として、大野准教授は「40~50代に多く、両目に起こりやすい」と、働き盛りの世代に注意を促す。しかも「黄斑(おうはん)部という網膜の中心部分が障害されやすいため、早期から高度な視力障害が起こりやすい」。

≪放置すれば悪化も≫

 強度近視で特に起こりやすい病気として、大野准教授は次の4つを挙げる。

 (1)核白内障。水晶体の中央の「核」が濁る。手術が必要なのに、「視力が落ちた」と眼鏡やコンタクトレンズの度を上げて済ませている場合も。放置すればどんどん悪化する。

 (2)近視性黄斑部出血。眼軸長が延びたことで、物を見るための中心部分「黄斑部」の膜が裂け、異常な血管が網膜に入り込む。その血管は破けやすく、網膜に浮腫ができて視力が低下。突然、物が欠けたりゆがんだり、見ようとする所が見えなかったりする。「早期発見が特に重要だが、現実には受診が遅く治療不能なケースも多い。中心がゆがむなどの自覚症状があったら、すぐ受診を」(大野准教授)

 (3)近視性網膜脈絡膜萎縮(いしゅく)。眼軸長が延びた結果、網膜や脈絡膜が延ばされて薄くなり萎縮する。軽度のものは30代でも強度近視の半数に起こり、年齢とともに増加。物を見るための視細胞が死んで、視力障害や視野障害が起こる。治療法や予防法はない。

 (4)近視性視神経障害。眼軸長が延び、視神経が引き伸ばされて変形して早期から中心付近の視野がなくなる。ある程度進むと止めるのは難しい。

 思い当たる症状があったら眼科専門医を受診し、視力だけでなく屈折度、眼軸長、眼底などを調べ、必要に応じて精密検査をすることが大切。大野准教授は「両目で生活していると、片目の視力が悪くなっても気付きにくい。新聞やカレンダーなどを利用し、定期的に自分で片目ずつの見え方をチェックしては」とアドバイスしている。

                   ◇

将来、さらに増加の見込み

 昨年度の文部科学省学校保健統計によると、疾病・異常別で裸眼視力1.0未満の子供の割合は、幼稚園~高校の各学校段階を通じ、虫歯に次いで高い。裸眼視力0.3未満(ほとんどが近視とみられる)の割合は、幼稚園0.6%、小学校7.3%、中学校22.0%、高校27.7%だった。小学生は昭和50年の2.7%から、30年余りで3倍に増加。東京医科歯科大学の大野京子准教授は「子供の近視の増加傾向から、将来、強度近視がさらに増加すると見込まれる」と指摘している。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/life/body/100510/bdy1005100751000-n1.htm

心が麻痺しているのでは…

 先日、ある出版社の社長がこう言っていた。

 「最近は民主党の批判本が売れなくなった。鳩山由紀夫首相がいかにいい加減な男で、いかにどうしようもない政権なのか、世間にバレちゃったんで批判しても誰も驚かないんだな…」

 そう言われて気づいたが、自分自身もそうだった。米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、首相が先の衆院選で「最低でも県外」と訴えてきたことを「党の公約ではない」と言い出しても別に驚かない。米海兵隊の抑止力について「学べば学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍がすべて連携して抑止力が維持できるという思いに至った。それを浅かったといわれれば、その通りかもしれません」と言っても腹も立たない。この難局に直面する中、屋外イベントで鳩の物まねをしても呆れない。「確かに私は愚かな総理かもしれません」と認めても「そうですね」と思うだけだ。

 小沢一郎幹事長が絶対権力者として君臨し、批判を許さない民主党の体質もそれほど異様に映らなくなった。小沢氏の資金管理団体の政治資金規正法違反事件で、検察審査会が小沢氏を「起訴相当」と議決したことも瞬間的に大騒ぎになったが、もはや話題にもならない。首相が母親から毎月1500万円の「子ども手当」をもらい、献金に偽装した秘書に有罪判決が出たことも「そういえばそんなこともあったっけ…」と遠い目をしてしまう。逆に目くじらを立てている人を奇異の目で見てしまう。

 「立ち上がれ日本」「新党改革」「日本創新党」…。新党が次々に誕生したが、どれがどれだかわからない。そもそも野党第一党である自民党は存在そのものが忘れられつつある。えっと、今の総裁は誰だっけ…。

 外交・安全保障にも無頓着になりつつある。日米同盟の亀裂は広がりつつあり、首脳会談さえまともに行えない。駆逐艦2隻、潜水艦2隻、フリゲート艦3隻など計10隻の中国艦隊が沖縄近海を南下したが、緊迫感はない。韓国海軍哨戒艦の沈没は北朝鮮による魚雷攻撃の可能性が高まっているが、北朝鮮脅威論は起きない。拉致問題も風化しつつある。北朝鮮が3度目の核実験をしても弾道ミサイルを発射しても「またか」と感じるだけではないか。

 内政問題もそうだ。あれだけ国民の支持を集めた郵政民営化に完全に逆行する郵政改革案を政府が推し進めてもそれほど騒ぎにならない。国債発行残高がふくれあがっても税財政論議は起きない。宮崎県で口蹄疫が大発生し、4万頭以上の家畜が処分されているが、なおメディアの扱いは小さい。そういえば国家公安委員長が議員宿舎にホステスを連れ込み、路上でキスをしたところを写真に撮られた不祥事もあったな…。

 何かおかしい。かつては、どれが一つとってもかつてはもっともっと大騒ぎとなっていたのではないか。心が麻痺してしまっているのではないか。

 理由は何だろうか。メディアの問題もある。かつて自民党政権に厳しかった新聞・テレビほど現政権には甘い気がする。「歴史的な政権交代を果たしたんだから」となおかばい続けるコメンテーターもいる。連日のように首相の発言がブレ、あまりに想定外のことが続くのでちょっとやそっとでは驚かなくなったこともあるだろう。

 だが、メディアも初報ではそこそこ騒いではいる。そこから波紋が広がっていかないのだ。火がついてもすぐに鎮火してしまう。なぜだろう。

 かつては、事件であれ、不祥事であれ、失言であれ、一報が小さくても重大な問題ならば、次第に大きなニュースになっていった。まず、国会が騒ぎ出し、それぞれの政党の支持団体が騒ぎ、それが全国に広がっていくからだ。

 ところが今はそれが極端に少ない。まず最大与党の民主党は政権に都合の悪い話には口をつぐむ。デモや反対集会など世論喚起を得意とした労働組合や市民団体は今は政権最大の後ろ盾となっており、驚くほどにおとなしい。加えて現政権は危機管理がなっていないから対応は常に後手に回る。野党・自民党もまだ与党ボケが抜けず、まったくふがいない。

 このままでいいのだろうか。夏の参院選で与党が過半数をとれば、首相は誰であれ、民主党を中心とした政権は3年以上続くだろう。その間にますます人々の感受性は鈍り、日米関係は修復不能となり、中国はますます太平洋に勢力を広げ、国内では外国人地方参政権付与法も、民法改正も、人権侵害救済法も、皇室典範改正も、それほど騒ぎにならずに成立していくのではないか。そして気づいた時は、日本列島は日本人だけのものじゃなくなってしまうかも知れない。
(石橋文登)

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100509/stt1005091802002-n1.htm

「ルーピー」と書かれた首相

≪忠ならんと欲すれば…≫

 平安時代末期の武将で公卿(くぎょう)だった平重盛が語ったと伝えられる有名なセリフを思いだした。

 いわく、「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」。父清盛への孝行と、武将として仕えた後白河法皇への忠誠を両立させる難しさを嘆いたものだ。清盛の右腕として平家全盛時代の立役者となった重盛だったが、晩年は清盛と後白河法皇の対立のはざまで進退きわまった。

 遠い昔、学校の授業で習ったこのエピソード。なぜ、今ごろになって思いだしたかというと、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題に関し、訪米した際の記者会見に臨む鳩山由紀夫首相の、宙を泳ぐうつろなまなざしが脳裏から離れないためだ。

 重盛ほどの政治家ですら解けなかったジレンマという難問。「地元の理解」と「米海兵隊の一体的な運用」の両方を同時に満たす方程式の解は、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部に移す現行案以外になかったのである。沖縄県民への「思い」は問題解決の何の補助線にもならず、かえって県民感情を傷つけた。

 「最低でも県外」といっていた鳩山首相。それが「7千本以上」(与党幹部)ともいわれるくい打ち桟橋方式を「現行案ではない」と言い張ったところで、辺野古に回帰する以上、国民や地元住民、オバマ大統領ら米政府関係者にまでウソをついていたといわれてもやむを得ないだろう。

 ≪“首脳通信簿”で最低点≫

 それ以上に日本人として残念なのは、日本の文化も歴史もどこまで詳しく知っているのか分からない米国の新聞記者から嘲(あざけ)りの対象とされたことだ。

 そう、あの「loopy(ルーピー)」という言葉である。

 悲しいかな、鳩山首相を語る際の枕詞(まくらことば)として定着した観がある。米紙ワシントン・ポストのコラムニスト、アル・ケイマン氏が4月の核安全保障サミット後、各国首脳の外交成果に“通信簿”をつける形で書かれた風刺画調のコラムの中での表現だ。17面に署名と顔写真入りで掲載された、このコラムは鳩山首相を「最大の敗者」「不運で愚かな首相」と皮肉った。

 後日、ケイマン氏にルーピーの真意について聞いてみた。同じ記者同士、米政府高官のだれが言ったかを聞けるとは思っていない。ただ、ホワイトハウスを中心に、ワシントン政界の“奥の院”を知り尽くしたベテラン記者から、米政府内の微妙な空気のほか、記事がポスト紙の公式見解なのかを知りたかったからだ。

 メモ帳をたぐると、連絡をとったのは、最初に転電した翌日の4月16日だった。ケイマン氏は何やら移動中で忙しいということだったが、留守電に伝言を残しておくと、後になって「あくまで個人の見立てで書いたもので、ポスト紙の見方を代表したものではない」との回答をメールでくれた。「ワシントン・ポスト社としての主張はオピニオン(論説)欄に掲載される。私は取材記者であり、ポスト社を代表する立場にはない」と個人の見解を強調していた。

 ≪「冷めたピザ」よりひどい≫

 だが、日米関係筋は、「どんな形であれ、ポスト社の見解を踏み外したものが掲載されるわけがない」と語る。かつて、米紙ニューヨーク・タイムズが小渕恵三首相を「冷めたピザ」と揶揄(やゆ)したことがあった。首相周辺は「電子レンジでチンすればおいしい」などと切り返す余裕があった。

 これに対し、今回のルーピーは救いようのない罵詈(ばり)雑言で、「日本の首相にこんな辛辣(しんらつ)な言葉を使った記事は見たことがない」と、日米関係筋は悔しがる。それを国会答弁で認めた首相も首相である。

 肝心の真意だが、複数の英和辞書によれば、ルーピーには「頭のいかれた」「愚かな」という意味がある。米俗語だけに、日本語訳は英語を生業とする専門家をも悩ませた。ケイマン氏は続報で、島根大学の教授が日本のメディアがルーピーの意味について、「愚かな」と「いかれた」の2通りに解釈していると指摘し、真意はどちらなのだと問い合わせがあったことを紹介した。

 ケイマン氏の答えは、「組織の意思決定について十分な情報を得ているという意味での『輪の中に入っている』状態とは正反対の意味」であり、「現実から変に遊離した人」だと釈明した。具体的には、浮気発覚後の会見で、離婚されそうな妻に「会見の出来はどうだった?」と聞いた州知事をルーピーの例に挙げた。だとすると、かつて日本ではやった重度の「KY(空気が読めない)」にニュアンスが近いのかもしれない。

 重盛は出家して第一線から身を引いた。ルーピーか否かはこの際脇に置く。鳩山首相の対応を注視したい。
(ささき るい)

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100509/stt1005090313000-n1.htm

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